TATEISI PRIZE TATEISI SCIENCE AND TECHNOLOGY FOUNDATION

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太田 淳

第8回(2024年度)功績賞

太田 淳

奈良先端科学技術大学院大学 理事・副学長
先端科学技術研究科 教授

授賞表題
CMOSデバイスのバイオ医療応用に関する先駆的研究

● 受賞者の業績

受賞者は、三菱電機で「人工網膜LSI」と呼ばれる高機能CMOSのオンチップ画像処理センサの研究開発に従事し、業界初の製品化に寄与した。奈良先端科学技術大学院大学へ移籍後、これを非同期動作などの形で発展させると同時に、機械の眼としてのセンサから視覚障害者のための人工視覚システムへと展開し研究開発をリードした。複数の電極に半導体集積回路チップを分散させ、少ない配線で柔軟性のある「分散型人工視覚デバイス」を考案し、1000点以上の網膜刺激電極が実現できることを示した。この他、近年進歩が著しい蛍光タンパクや光感受性イオンチャネルタンパクを用いることで電極無しでマウスなど実験動物の脳内神経活動の計測や制御ができるように、脳内埋植可能なイメージングデバイスや光刺激デバイスの研究を進めてきた。これらの先駆的な研究開発成果にともなう多くの論文・著書が高く評価されている。また、IEEE Biomedical Circuits and Systems (BioCAS)国際会議を日本で初めて開催するなど、半導体バイオメディカルデバイス分野における学会活動にも大きな貢献をしている。なお、受賞者は当財団から1999年に「非同期動作ビジョンチップに関する研究」の研究課題で助成を受け、その成果が人工視覚研究の礎となった。

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※所属・職名は受賞当時