● 受賞者の業績
受賞者は、大自由度系のロボットの運動計算、制御理論の基礎研究から出発し、人間の大自由度筋骨格系の力学モデルとその計算法を確立した。これに基づき人対人の行動理解のしくみを、自己の運動制御と他者の運動理解を行う同一の双方向計算機構としてモデル化し、運動認識と記号化によるコミュニケーション理論を提唱した。さらにヒューマノイドロボットが人間の行動を記号的・言語的に理解して動作する実証研究によって、人間と機械の自然なコミュニケーションが成立する未来社会を予見させ、人間と機械の調和に向け大きく貢献した。受賞者が開発したリアルタイム筋張力推定システムは、通常の運動解析に加えて筋張力・筋活性度の解析を可能し、幅広い分野で適用されている。2018年には、特殊なマーカーや専用の服装を用いることなく、画像情報からリアルタイムで関節角度を推定するとともに、筋骨格運動や筋力を推定するAIモーションキャプチャーシステムを開発した。これらの研究開発技術は、ヘルスケアやスポーツ科学や高齢者の見守りなどに応用が広がろうとしている。2001年、2002年に連続受賞したKing-Sun Fu Memorial Best Transactions Paper Awardはロボティクスで最も重要な学術雑誌 IEEE Transactions of Robotics and Automationの年間最優秀論文1編に送られる賞であり、2年連続の受賞は受賞者のみである。なお受賞者は、1992年に当財団から「人間と機械の知的コミュニケーションに関する研究 多指ロボットハンドの知能化を具体例として」の課題で助成を受け、その成果が本研究活動の端緒となった。
● 記念講演概要
過去受賞者
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- 第1回(2010年度)功績賞
- 都甲 潔
- 九州大学大学院 システム情報科学研究院
主幹教授・研究院長
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- 第1回(2010年度)特別賞
- 金出 武雄
- カーネギーメロン大学
生活の質工学研究 センター所長
ワイタカー記念全学 教授
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- 第2回(2012年度)功績賞
- 下山 勲
- 東京大学大学院 情報理工学系研究科
教授
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- 第2回(2012年度)功績賞
- 西尾 章治郎
- 大阪大学大学院 情報科学研究科
教授
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- 第2回(2012年度)特別賞
- 川人 光男
- (株)国際電気通信基礎技術研究所
脳情報通信総合研究所 所長
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- 第3回(2014年度)功績賞
- 江刺 正喜
- 東北大学 原子分子材料科学 高等研究機構 教授
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- 第3回(2014年度)特別賞
- 小川 誠二
- 東北福祉大学 感性福祉研究所
特任 教授
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- 第4回(2016年度)功績賞
- 染谷 隆夫
- 東京大学大学院 工学系研究科
教授
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- 第4回(2016年度)功績賞
- 山本 裕
- 京都大学大学院 情報科学研究科
名誉教授
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- 第4回(2016年度)特別賞
- 浅川 智恵子
- 日本アイ・ビー・エム株式会社
東京基礎研究所 IBM フェロー
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- 第5回(2018年度)功績賞
- 浅田 稔
- 大阪大学大学院 工学研究科
教授
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- 第5回(2018年度)特別賞
- 石川 正俊
- 東京大学大学院 情報理工学系研究科
教授
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- 第5回(2018年度)特別賞
- 板倉 文忠
- 名古屋大学
名誉教授
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- 第6回(2020年度)功績賞
- 横矢 直和
- 奈良先端科学技術大学院大学
学長
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- 第6回(2020年度)特別賞
- 石黒 浩
- 大阪大学大学院 基礎工学研究科
教授
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- 第7回(2022年度)功績賞
- 中村 仁彦
- 東京大学大学院 工学系研究科
上席研究員・名誉教授
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- 第7回(2022年度)特別賞
- 合原 一幸
- 東京大学
特別教授・名誉教授
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- 第8回(2024年度)功績賞
- 太田 淳
- 奈良先端科学技術大学院大学
理事・副学長
先端科学技術研究科 教授
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- 第8回(2024年度)功績賞
- 菅野 重樹
- 早稲田大学 理工学術院 学術院長
創造理工学部総合機械工学科 教授
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- 第8回(2024年度)特別賞
- 下條 信輔
- カリフォルニア工科大学
教授
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- 第8回(2024年度)特別賞
- 土井 美和子
- 情報通信研究機構 監事
東北大学 理事
奈良先端科学技術大学院大学 理事
※所属・職名は受賞当時