● 受賞者の業績
受賞者は、コンピュータやスマートフォンに続く、新しい情報メディアとして、人と関わるロボット(通称:コミュニケーションロボット)の研究開発に、世界に先駆けて取り組んできた。人間は、人間を認識し人間と関わるための脳機能を持つ。それ故、人間に似たロボットは、より人間に親和的なメディアになる可能性がある。このことを、受賞者は人間に酷似したロボット(通称:アンドロイド)を始めとした、多様な人と関わるロボットを独自に開発しながら、実社会での実証実験等を通して、技術的、認知科学的に実証してきた。そして、ヒューマンロボットインターラクションと呼ばれる研究領域を創成し、世界の研究を先導してきた。具体的な業績として、2000年に人と関わる機能を備えたロボットらしい見かけを持つ「ロボビー」を開発し、人とロボットの関わりを研究する先駆的な研究として注目された。2005年には、愛知万博で人間をモデルにしたアンドロイドを国内外に発表し、世界的な注目を集めた。そして、2006年には自らのアンドロイドである「ジェミノイド」を発表し、再び世界的な注目を集めた。また、アンドロイド研究を通して得られた知見を基に、人間の見かけとしてのミニマルデザインを持つ、高齢者用対話ロボット「テレノイド」を開発した。このような研究開発の成果により、招待講演はこの5年間で200件を超え、メディア掲載はこの5年間で500件を超える。
● 記念講演概要
過去受賞者
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- 第1回(2010年度)功績賞
- 都甲 潔
- 九州大学大学院 システム情報科学研究院
主幹教授・研究院長
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- 第1回(2010年度)特別賞
- 金出 武雄
- カーネギーメロン大学
生活の質工学研究 センター所長
ワイタカー記念全学 教授
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- 第2回(2012年度)功績賞
- 下山 勲
- 東京大学大学院 情報理工学系研究科
教授
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- 第2回(2012年度)功績賞
- 西尾 章治郎
- 大阪大学大学院 情報科学研究科
教授
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- 第2回(2012年度)特別賞
- 川人 光男
- (株)国際電気通信基礎技術研究所
脳情報通信総合研究所 所長
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- 第3回(2014年度)功績賞
- 江刺 正喜
- 東北大学 原子分子材料科学 高等研究機構 教授
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- 第3回(2014年度)特別賞
- 小川 誠二
- 東北福祉大学 感性福祉研究所
特任 教授
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- 第4回(2016年度)功績賞
- 染谷 隆夫
- 東京大学大学院 工学系研究科
教授
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- 第4回(2016年度)功績賞
- 山本 裕
- 京都大学大学院 情報科学研究科
名誉教授
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- 第4回(2016年度)特別賞
- 浅川 智恵子
- 日本アイ・ビー・エム株式会社
東京基礎研究所 IBM フェロー
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- 第5回(2018年度)功績賞
- 浅田 稔
- 大阪大学大学院 工学研究科
教授
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- 第5回(2018年度)特別賞
- 石川 正俊
- 東京大学大学院 情報理工学系研究科
教授
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- 第5回(2018年度)特別賞
- 板倉 文忠
- 名古屋大学
名誉教授
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- 第6回(2020年度)功績賞
- 横矢 直和
- 奈良先端科学技術大学院大学
学長
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- 第6回(2020年度)特別賞
- 石黒 浩
- 大阪大学大学院 基礎工学研究科
教授
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- 第7回(2022年度)功績賞
- 中村 仁彦
- 東京大学大学院 工学系研究科
上席研究員・名誉教授
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- 第7回(2022年度)特別賞
- 合原 一幸
- 東京大学
特別教授・名誉教授
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- 第8回(2024年度)功績賞
- 太田 淳
- 奈良先端科学技術大学院大学
理事・副学長
先端科学技術研究科 教授
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- 第8回(2024年度)功績賞
- 菅野 重樹
- 早稲田大学 理工学術院 学術院長
創造理工学部総合機械工学科 教授
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- 第8回(2024年度)特別賞
- 下條 信輔
- カリフォルニア工科大学
教授
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- 第8回(2024年度)特別賞
- 土井 美和子
- 情報通信研究機構 監事
東北大学 理事
奈良先端科学技術大学院大学 理事
※所属・職名は受賞当時