TATEISI PRIZE TATEISI SCIENCE AND TECHNOLOGY FOUNDATION

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板倉 文忠

第5回(2018年度)特別賞

板倉 文忠

名古屋大学
名誉教授

授賞表題
デジタル時代の音声符号化・合成・認識に関する音声分析根幹技術の発明

● 受賞者の業績

私たちが携帯電話やスマホで聞いている発話者の声は、実は送られてくるデジタル音声情報を基に手元の端末で時々刻々計算し合成した音声である。この機能を実現するには、限られた電波資源を世界中の人々と共有でき、原音に忠実で実用に耐えうる効率的な音声情報圧縮・実時間伝送処理技術が必須とされる。 受賞者は、声帯や口腔など発声系の数理モデルに基づく音声の符号化と合成のための線形予測係数を効率的に表現できるPARCOR(偏自己相関)係数、究極に近い情報圧縮率をもつ符号化方式 LSP(線スペクトル対)、音声スペクトルの距離尺度であるItakura-Saito距離などに関する音声情報処理理論を構築・定式化し、開発・実装への道を拓いた。 特にLSPは現在では世界のほとんど全ての携帯電話、スマホに世界標準として搭載・実装され、2014年にIEEEマイルストーンに認定されている。また音声スペクトル分析の根幹技術は人工知能応用音声アシスタンス機能実現の発展への礎ともなっている。こうした学術と実用の両面に関わる爆発的、決定的貢献に対し、2017年8月には国際音声通信学会からISCA Medalなど、国内外の数々の栄誉を受賞してきた。

● 記念講演概要

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