TATEISI PRIZE TATEISI SCIENCE AND TECHNOLOGY FOUNDATION

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染谷 隆夫

第4回(2016年度)功績賞

染谷 隆夫

東京大学大学院 工学系研究科
教授

授賞表題
人間と機械を調和する伸縮性エレクトロニクスに関する先駆的研究

● 受賞者の業績

受賞者は、「人間と機械の調和を実現するためには、“人間と親和性の高い柔らかいエレクトロニクス”が本質的に必要である」という認識にたち、有機材料を活用して既存の固いデバイスを補完する伸縮性エレクトロニクスの分野で、その黎明期から先駆的な貢献をしている。伸縮性エレクトロニクスは、既に携帯電子機器の曲面タッチパネルなどに実用化されつつあるが、特に受賞者は「大面積化の容易さ」と「曲げやすさ」という有機半導体の二大特徴を巧みに捕らえ、世界で初めて「アクティブマトリックス方式による大面積なフレキシブルセンサ」の開発に成功した。このセンサは、皮膚のように伸縮自在で、自由曲面上で温度分布と圧力分布をリアルタイムで同時に計測できる電子人工皮膚として有望視されている。この成果に基づきベンチャー企業が設立され、皮膚感覚のウェアラブルデバイスであるE-skinの産業化を目指している。触覚と温度感覚を付加した衣服を着ることで、姿勢や動作、体表温度分布を自然な状態で測ることができ、スポーツ科学における計測、安心で快適な環境の提供、高齢者の支援活動など幅広く利用される。
なお受賞者は、2003年に当財団から「情報活用社会に整合するプラスティック高集積回路の試作研究」の課題で助成を受け、その成果も本研究活動の充実と発展に寄与した。

● 記念講演概要

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