TATEISI PRIZE TATEISI SCIENCE AND TECHNOLOGY FOUNDATION

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小川 誠二

第3回(2014年度)特別賞

小川 誠二

東北福祉大学 感性福祉研究所
特任 教授

授賞表題
磁気共鳴機能画像法の基礎原理の発見と脳・生体機能イメージングへの応用

● 受賞者の業績

受賞者は生体内の生理的活動の非侵襲イメージング技術の基本原理を発見し,生命科学や臨床医学への応用への基礎を築いた。特に磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging; MRI)において,血液中のヘモグロビンの酸化・脱酸化による磁化率の違いをMR信号として計測することにより脳内の血流変化等を視覚化するBOLD(Blood Oxygenation Level Dependent)法の原理を確立し,ヒトの脳機能解析や臨床診断への道を拓いた功績は大きい。
受賞者はBOLD法を考案し,それに基づいて磁気共鳴機能画像法(fMRI) を開発して,ヒトの脳活動の非侵襲イメージングが可能であることを実証した。今日では,ヒトの高次認知機能の解明をめざす脳科学や心理学において脳活動イメージングの主要技術となっているのみならず,外科の術前診断,神経内科や精神科での診断や病態解明など,医療分野でも広範に活用されている。
ヒトの精神活動の解明,精神疾患の予防,診断,治療は今後の人類社会に課された大きな課題であり,fMRI法の開発は,機械による人類の福祉への偉大な学術的貢献をなすものである。受賞者は,医用画像技術分野における画期的なブレークスルーを提供し,余人をもって替えがたい業績を挙げてきた。

● 記念講演概要

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